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西の夜空の星座が舞う頃に

不定期だけれど、一様続いているジョギングをしていた。

この季節になると夜空がとてもきれいにみえる。
会津の冬はほぼ曇りで夜空が見えないことが多いのだけれど、
夏場になるとほぼ晴天でとてもきれいな星々がみえる。

今日、西の方に向かって走っていると星々がとても綺麗に輝いていた。
本当に雄大で、その方向に走っていると吸い込まれそうに感じるほどの輝きだった。

小学生の頃に先生から星座を習ったときは、正直バカにしていた。
教科書に載っている星座のイラストと、現実の星々の連なりに無理がありすぎると感じていたからだ。

しかし、今はなぜだか星座を作ったひとの気持ちが分かる気がする。
実際に真っ暗な夜を毎日過ごしていると、自然と夜空を見上げながら物思いにふけたがる。

古代のときには人々は灯される火のまわりに集まって、様々なストーリーを語ったのだろう。
そのときの様子がこの大自然に触れていると鮮明に思い描けられるのだ。
これは都会に住んでいたときには感じられなかった幸福感に包まれる瞬間だ。


思えば会津に来てから自然に癒されることが多い。

走っている間に感じる空気が全身を包み込む。
生暖かいその空気は、自分に生きている喜びを与えてくれる。

1日の多くを無機物と向かい合う自分にとって最も幸せな時間の1つだ。
自分は有機物として今を生きていると囁いてくれる。

明日はTEDxKumamotoshiが初めて開催される。
被災してこの短期間の間で開催にたどり着くまでに、どれほど困難な道程だったのかは想像がつかない。
メンバーの大半は被災してそれどころではない。
開催場所も見つからない。
恐らくパートナー企業まわりの中では怒られることもあっただろう。

だけれども、強い熊本を復活させる。
その熱い思いが西の彼方で起こっているのだと感じると、
物理的に遠い場所で走っている最中でも、心のなかでつながる瞬間を感じる。

自分は福島で何ができるのか。

この地に来て数年間、常に問われ続けているこの問いに対して自分は何ができるのか。
長い歴史の中で何度もターニングポイントを抱え続けてきたこの地で何を与えることができるのだろうか。

子供の頃、バカにしていた星座は真っ暗な夜の中で語られるストーリーから生まれたものだろうと思う。自分は将来、真っ暗な夜を少しでも明るく出来るストーリーを語れる人になれるだろうか。

ジョギングをして人に戻るのも、古代から受け継がれるこのDNAに刻み込まれたあの頃に呼ばれているのかもしれない。
時代は変わっても変わらない大切さを噛み締めながら、今だから語れるストーリーを作っていきたい。