『シン・ゴジラ』を観てきた

評判の良い『シン・ゴジラ』を観てきた。

www.shin-godzilla.jp


音楽はエヴァと伊福部さんを合わせた感じ。
ギャップ差が激しかったが、違和感はそこまでなかった。
観ていて「あ、伊福部さんだ」みたいな感じ。
素直に受け入れられた。

ただ、問題はエヴァの方だ。
作戦本部がエヴァ同様あり、エヴァでおなじみのティンパニが激しくリズムを刻む「あの音楽」が象徴的に何度も流れるのだが、音楽と違って画がダサい。
それは演出や撮り方のせいではなく、日本の会議室であの音楽を流していると考えるとそのダサさが分かると思う。
エヴァの音楽はエヴァの世界観、緊迫感があるからこそ合うものであって、日本の馴染み深い風景にあの音楽を交えたら厨二臭さが否めなかった。

ただ、ゴジラの「虚構性」に対してはとてもマッチしていた。
ゴジラの恐さの増幅には最高のアシストだったと思う。
なんだかゴジラの虚構シーンを観るための休憩が会議室のシーンになってしまっており、エヴァの葛城大佐のような真実を追い求める現場の想い、それに伴う人々の心情と苦難、さらにその作戦を裏で仕組んでいる者たちの計画など、登場する人物の思想や感情が散りばめられているエヴァシリーズと比較すると、安直な奥行きのない現実をただ見せられて、あまりワクワクしなかった。

それが現実なのか。

逆に、もしあるとしたら次回作以降が日常から離れたものになっていくと考えると面白いのかもしれない。
しかし、それを庵野監督はゴジラではつくりたくないのであろう。





今回の映画で創りたかったものは、恐らくいまの日本の現在地を洗い出したかったのではないかと思う。
どういうプロセスで異常事態に対して考え、行動していくのか。
これまでの日本の経験した困難を交えて、どのような今の政治があるのか、それに対して監督はどのような感情を抱いているのか。
それこそが今回の映画で洗い出したかった真実なのではないかと思う。

311を経験した日本がつくるゴジラ。それが『シン・ゴジラ』。
シンの意味は、新も神も辛も進も含んでいるだろうが、最も強いことは真だろう。
まさに今の真実。今の社会への問いかけ。そして、今の監督自身の想い。
それがゴジラという虚構に載せられて、写し鏡として現実を見せている。

この映画を観て、どう考えるのか。

というよりは「今の時代に、どのような映画をつくりたいのか」

それを見せるための映画のための映画だったと思う。